最終変更日 2008/09/07 19:44:20
読書レビューのページです
書評とはいきませんが、読んだ足跡を残して・・・。
「奇跡のリンゴ」
「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録
著書 石川拓治
日付 2008/09/05
№ 004
噂で薄々聞いていたこのお話し。
たまたま新聞の書籍広告にあったこの本の、その主人公木村秋則さんの屈託のない笑顔を見て、なぜかここには読まなければいけない大切なものがあると感じては、すぐさまアマゾンをクリックしたものです。
「リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ」
表紙の裏には、いきなりそんなリンゴを大切に育てた人らしい言葉が、それとなく語られていて、それがあまりにもそっと語られているのでなんだろう?なんて、正直思いながらページをめくっていたように思います。
無農薬でリンゴを実らせるという本当の意味を知らないノー天気な私は、実は、今私たちが食べているリンゴは石油製品(化学肥料による)であるという事実と、そうして作らなければ大きくたわわに、そして買ってもらえるリンゴには育たないという事実を突きつけられ、木村秋則さんが何をやろうとしているのか、次第にそのわけを感じるにつれて、止まることなくページをめくるのでした。
どんな小説よりもドラマチックで、けなげで、そして、恐くなるほどどこまでも追い続けるその執念のリアリティに息を呑みます。
本を持つ手は力が入り、何をやっても、何年かかってもうまく行かない現実に、とうとう自殺を決意する木村氏。そのために山の奥へと上り詰めるその瞬間には、「よせ!」と心で叫んでしまったほど。
そこで思いがけずに出会うどんぐりの木と、大いなる発見。ここから、木村氏とその家族の大逆転劇が始まる。
そもそも農薬で倒れる奥さんを助けたいと始めた無農薬栽培。枯れ果てていくリンゴの木たちへも、そうした優しさ、思いやり、そして愛情が、彼を動かし、やがてどん底から自然がそっと助けてくれた。
「バカになれ」と、木村氏の言っていた意味が強烈に理解し始めるのです。
どれほどまでにこの地球は愛情に満ち溢れていることか。なんて、この大自然は優しくも緻密に、お互いが助けられていることか。その神秘はより神秘に輝きながら、その事実を知らされて思いは巡るのでした。
読み終えて思います。
大きくて大量のリンゴを作るという人間の勝手でご都合ばかりの愚かさは、「リンゴの木はリンゴの木だけで生きているわけではない」と言う木村氏の言葉の、その重さで気付かされるのでした。
木村秋則さんは最後に、
「がんばったのはリンゴの木たち。私は、ただ、それを手伝っただけ」と、遺していた。
その言葉と、表紙を飾る木村氏の笑顔、そして後で語られた不思議なエピソードは、何よりも大切なことを教えてくれた。子供達にもぜひ読ませてあげたい、気がつけば読み終えるまで本から目を離すことがなく、今はそんな気持ちで大切にこの本を棚に飾るのでした。
追伸
「私は、それを手伝っただけ」と、木村さんのなにげない言葉の中に、カウンセリングの理念にも似たものがあると思ったのでした。
「3つの真実」
人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”
著書 野口嘉即(のぐちよしのり)
発行所 ビジネス社
日付 2008/08/02
№ 003
先日、大阪へ出張の際、新大阪駅で新幹線を待つ間、そこにあった小さな本屋さんでなんとなく購入した1冊でした。しかも、先に購入を決めた本の、レジに向かう途中で目に留まった。
「3つの真実」というタイトルに、小さく「人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”」とサブタイトルがあって、さらには、「魂をゆさぶる感動の物語」、そして、「この3つを知れば、自分と未来が変わる!」と帯にまで、著者の熱意は感じた。
しかしなぁ~、よくありそうな、こうあるべき的な、自己啓発というか、なかなかこの歳にもなると、もうそうしたことよりも“生ビール”といきたいなどと、せっかく手にとってはみたものの、よし買おうというまでにはなかなか踏ん切りがつかなかった。
しかし、買ってみた。
どういうわけであったか分からなかったが、出先のついでみたいな軽いものだったように思う。劇的な出会いとか、出会うべくして出会うとか、そんなことは微塵もなかった。
家に戻ってからどれだけ机の上に積まれていたことか。
それは物語形式で静かに始まっていた。物語に老婆とかひげを生やした老人などが登場すると、それはグッと魅力を増すことがある。ミスター目標達成と自称する主人公の挫折に、突然訪れた老人もそんな期待をかもし出し、次第に私を引き寄せていったように思う。
しばらく読み進めると、これは産業カウンセラーで学び感じたことと似ていると思った。
子供がいい成績をとった時に褒めるのは、その子の行動(doing)を評価している。よくとも悪くともその子を抱きしめてあげる、その子の存在(being)を認めることだ。
仕事でも、事実や理屈を伝えることが中心になって、感情が無視されている。感じないで考えてしまう癖がついてしまっている。
親は子供を、男は女の幸せを願っている、しかし、相手の気持ちを尊重していない、ただコントロールをしようとしているだけ。自分の考えに固執して、自分の思い通りにしようとしている。相手が思い通りにならない、それを受け入れられないのだ。
まさに、私はそういう人であった。産業カウンセラーの養成講座で学んでいるうちに気づいたこと、それが言葉を変えてまた私に降り注いできた、そんな感じであった。
私は怖れていた。他人の評価、相手にされていないという怖れ、自分の存在価値に自信をなくして、それを怒りでカバーしようと、怖れていることを素直に認めようとしなかったのだ。
そのうち、よくよく考えてみてみると、なぜ、そうだったのか?と思うようになった。
その答えはわりと早くから、この本全体に散りばめられ小さな輝きを放っているように、それに気づくのはそんなに時間がかからなかったと思う。
自分も人の気持ちも素直に受け入れ、「あなたはそう感じているんですね」と、また、自分も人も尊重できる、そんな人になりたいものだと思うのであった。
以前、私はある不思議な体験をしたことがある。
それは、つながっているということ。
はじめは、私、妻、子供、親と家族のことから、職場の人、社会、世界、そして月とか太陽とか。
やがて、ずっとずっと遠い宇宙のはて、ずっとずっと昔の古代からずっとずっと先の未来まで、小さな私がつながっていることを理屈抜き(理屈があってもわからないが)で、ただなんとなく感じることがあった。
そう、わかったのではなく感じた、とっても不思議であった。
人生の秘密に、中心軸、つながり、自尊心、宇宙、家族、そしてと、数々のキーワードがつながりひも解かれる、まさにそんなパズルが次第に見えてくるような気がしてきた。
それも、わかったというより感じることができたように思う。
ただなんとなく購入した本であったがそれは大きなヒントを与えてくれたようで、ちょっぴり幸せな気持ちにもなった。
ありがとう、と思った。
「やめられない心理学」
不健康な習慣はなぜ心地よいのか
著書 島井哲志(しまいさとし)
発行所 集英社新書
日付 2008/05/20
№ 002
「やめられない心理学」―不健康な習慣はなぜ心地よいのか?もうそのタイトルとサブタイトルに体が硬直したのです。
連日の深酒、スープまで飲み干すラーメン、手放せないタバコに慢性的な運動不足etc・・・。なぜ、わかっていてもやめられないのか?
まさに直立不動という感じだ。
タバコだけはなんとか止められたのだが、その分を取り戻そうと、深酒とラーメン、そして運動不足は誰にも負けていなかった。
しかし、それにしてもなぜだろう?
著者の島井哲志(しまいさとし)氏は、1950年生まれ。関西学院大学大学院修士課程心理学専攻、同大学院博士課程心理学専攻。福島県立医科大学助手、ドイツ・オルテンブルグ大学客員研究員、神戸女学院大学人間科学部教授を経て心理測定サービス健康心理学研究所所長。
肩書きを見ただけで、なんだかもう読んだ気になってしまうようだ。
「高齢化社会を迎え、健康を維持することは今や国民的な課題と言っても過言ではない」と、もはや国家を救うべくお話しなのだ。
よくタバコを吸う、お酒を飲むという習慣は、ニコチンやアルコールの摂取によるものかと思いきや、本当は目の前にある刺激であって、その刺激にコントロールされているだけなのだと。
自分が主人公になるのだ!
そうなるために「習慣の心理学」(動機付けと強化)なるものを教えてくれる。そして習慣を変えたい時には、変えやすいところから少しずつ変えてみればいいとアドバイスしてくれるのだ。
そうして心理学からきちんと説明をしてくれるので、説得力はなかなかである。
考え方を変えることから、行動を変えることができるわけだ。
しかし、習慣を変えることの本当の効果は「自分はできる」という自信を得ること。心理学では、「自己効力感」と呼び、同時に何かをはじめるときのキーとなるという。
本書はこのあと、食の健康心理学、ストレスの生理学と心身医学、病気の心理と行動と、日常生活におけるとっても参考になる情報をいろいろと教えてくれて、それは不安や落ち込みといったものから優しく解き放してくれる、大変参考になるものだった。
心理学を難しく避けるよりも、こちらから近づいてみる、そんな気持ちにもさせてくれたのでした。
「情報は1冊のノートにまとめなさい」
100円でつくる万能「情報整理ノート」
著書 奥野宣之(おくののぶゆき)
発行所 株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション
日付 2008/04/23
№ 001
正直アマゾンで購入しようとしていた本のついでに追加して選んだ、著者やその関係者の方々には多少申し訳ないが、アクシデントのような出会いであった。
いくつかの手帳やらノートやら、はたまたパソコンなどを駆使して(?)情報収集を試みるものの、なかなか情報整理とやらは厄介で、長年悩まされていた。それをいとも簡単に、100円ノート1冊で勝負しようぜと言っているので、どれどれと手にしたわけだ。
どうして1冊にまとめた方がいいのかというその理由に、この方が楽だからと応えはとってもシンプル。持っていくか否か、考える手間が省けるし、忘れることも減る。どんなときにも「これさえ持っていけばいい」としておくのだと、その説明には心で拍手をするところ。
超低コストで、文庫サイズで携帯ができ、一元できるから便利の上、探しやすいから活用できると、著者に変わって胸を張ってそのメリットを宣言したいくらいだ。時系列で何でもこれに書き留めればよいとなると、あれこれ整理しようとするストレスもなく、ここにあるのだと思うと気も楽だ。
そもそも整理をするというのはなかなかどうしてテクニックと根気の要る作業だ。だからどんなにノウハウが優れていても、結局は続かない、意味がないということになってしまう。今までにもそうしたあれこれを手にしては試行錯誤をした覚えがあったが、なかなかこれだ!という方法はなかった。
それでも、情報が蓄積されてくると、別途リストアップした目次みたいな情報整理は必要であり、日付やタイトルのつけ方なんかはちょっと工夫が必要のようだが、その辺は逆に楽しんでやってみるのもいい。
その上で、資料や伝票やコピーなど、基本的にA4サイズを折りたたんでこのノートに貼り付ける、まさに何でもかんでもこれにおさめてしまおうと言う勢いと、その姿勢、そしてその効果にこれまた期待がもてそう。
ためしにやってみると、すこぶるやりやすく、メモや簡単な日記などの書き綴り系から、発想やネタのアイディア系、書籍や映画などのカルチャー系に、資料や切抜きなどの資料系、取材や打ち合わせなどのビジネス系に、そして興味や物欲などのリスト系など、何でもOKがありがたく、どんどん蓄積されていくのが結構楽しい。
基本的に好きでなければ続かないかもしれないが、大いに参考に、そして活用させてもらえそうだとちょっとした楽しみが増えたようだ。